診療放射線技師の年収(給料)ってどれくらい?
診療放射線技師として働く場合、気になってくるのが「年収や給料」です。
そんな診療放射線技師の平均年収を知ることはもちろん、年収を上げる方法も大切になってきます。
✅この記事でわかること
- 診療放射線技師の雇用形態
- 平均年収(年代・職場・地域別)
- 年収を上げる方法
この記事では、「診療放射線技師の年収(給料)」について。
診療放射線技師の、雇用形態や平均年収。
さらに診療放射線技師として年収を上げる方法についても紹介します。
✅自己紹介
診療放射線技師の年収は、いろいろな要素によって変わってきます。
放射線技師の年収に関わる要素
- 年代・経験年数
- 病院規模
- 地域
同じ診療放射線技師でも、職場によって年収は違います。
特に新卒などの20代では経験年数が少なく、年収としても低め。
ただ逆に経験年数を積むことで昇給し、昇格などをすることで役職手当も付いてきます。
それ以外に年収を上げる方法としては、当直手当や別の病院でのアルバイトなどの方法も。

そんな中でも年収を上げるもっとも効率的な方法は、基本給の高い職場への転職になってきます。
診療放射線技師の雇用形態

正社員
診療放射線技師の一般的な雇用形態としては、正社員(常勤)として病院やクリニックに雇われることになります。
正社員のメリット
- 安定した給与
- 福利厚生がある
- 昇給や賞与がある
正社員のデメリット
- 勤務がシフト管理
- 勤務時間が不規則
- 夜勤・オンコールがある
正社員のメリットは、放射線技師として安定して働けることになります。
正社員ということで、毎月の給与が会社員と同じように安定。
また福利厚生もしっかりしている場合が多く、昇給や賞与による収入も期待できます。
ただし勤務はシフト表によって管理されているため、自分で働く時間を選ぶことはできません。

放射線技師として安定して働けることによってスキルアップも目指せるので、働き方としてはまず第1の選択肢になってきます。
契約社員
診療放射線技師の契約社員も、一般的な契約社員のように契約によって働く期間が決められています。
契約社員のメリット
- 様々な業務経験を積める
- 健診の繁忙期などに働きやすい
- 正社員雇用の可能性がある
契約社員のデメリット
- 雇用期間が決められている
- 賞与や退職金が出ない場合が多い
- 昇進・昇格がむずかしい
診療放射線技師の場合の契約社員は、人員不足のために雇用されるケースが多いです。
産休や育休によって、スタッフが足りなくなるタイミング。
また、新しい検査機器の導入時などに一時的にスタッフの人数を増やす場合もあります。
ただし契約社員ということで、契約期間の延長が無ければ契約は終了となってしまうのが不安定な部分。

契約社員の中では、CTやMRIなどの画像検査専門のクリニックなどで募集している施設も多いです。
アルバイト・パート
週に数日や時短勤務が可能になるのが、非常勤のアルバイトやパートになります。
アルバイト・パートのメリット
- 週数日や時短勤務が可能
- 家庭や副業と両立しやすい
- 勤務時間を選びやすい
アルバイト・パートのデメリット
- 時給制がほとんど
- 社会保険がつかない場合がある
- 基本的に経験者が求められる
実際の現場では、産休や育休明けの人がアルバイトやパートとして働く場合が多いです。
勤務日数や勤務時間が調整できるので、子育てしながらも働きやすいのが大きなメリット。
特に、外来患者や画像検査の多い午前中だけアルバイトやパートとして出勤する場合も多くなっています。
ただしアルバイトやパートには即戦力が求められている場合が多いので、放射線技師としての経験年数も重要になってきます。

ぼく自身は、他の病院で当直のアルバイトやクリニックでの日勤のアルバイトの経験があります。
診療放射線技師の平均年収

他の医療職との比較
診療放射線技師 | 537万円 |
臨床検査技師 | 508万円 |
看護師 | 518万円 |
薬剤師 | 556万円 |
診療放射線技師の年収は、他の医療職と比較してもそこまで違いはありません。
勤務先によっても条件は変わってきますが、診療放射線技師の平均年収は550万円前後になります。
ただし診療放射線技師の年収は、夜勤や当直の有無によって大きく変わってきます。
実際に看護師と比較してみると、診療放射線技師の方が低い場合も多いです。
これは看護師という職業が大変なのはもちろん、夜勤などが多いので夜勤手当分多くなっています。
診療放射線技師の当直の有無は、勤務先によっても変わります。
大学病院などでは夜勤や当直もありますが、病院やクリニックなどによっては当直の代わりにオンコール対応の場合も。

なので診療放射線技師としての年収は他の医療職と大差はありませんが、当直などの有無によって大きく変わってきます。
年代別での比較
年齢 | 年代 | 平均年収 | 月収(給料) |
20代 | 20〜24 | 384万円 | 28万円 |
25〜29 | 455万円 | 31万円 | |
30代 | 30〜34 | 494万円 | 34万円 |
35〜39 | 564万円 | 38万円 | |
40代 | 40〜44 | 563万円 | 39万円 |
45〜49 | 628万円 | 43万円 | |
50代 | 50〜54 | 703万円 | 48万円 |
55〜59 | 762万円 | 50万円 | |
60代 | 60〜64 | 570万円 | 39万円 |
65〜69 | 617万円 | 46万円 |
診療放射線技師の年収も、年齢や経験年数によって上がっていきます。
もっとも低い年収としては、20代の前半。
これは新卒や経験年数が少ない年齢層ということもあり、これからスキルを身につけていく年代になるためです。
それでも20代の後半以降は、年々給料もアップ。
経験年数による昇給はもちろん。
新卒とは違って、賞与が満額支給される部分もあります。
また経験年数に応じて、休日勤務や当直なども増えてくるのが20代の後半以降。

休日手当や当直手当が上乗せされることで、給料としても上がってくることになります。
職場別での比較
勤務先・経験 | 年収の目安 |
国立・公立病院 | 400〜500万円 |
大学病院 | 400〜600万円 |
一般病院 | 400〜500万円 |
健診センター | 350〜450万円 |
放射線治療・高度画像診断に特化 | 500〜600万円以上 |
管理職(主任・科長) | 600〜750万円 |
派遣・フリーランス | 時給2000〜3500、年収換算450〜700 |
国立・公立病院
公務員でもある国立や公立の病院ですが、診療放射線技師の年収は400〜500万円前後になってきます。
国立や公立の病院は、公務員扱いになります。
公務員ということで、給与や福利厚生、待遇などが特徴。
しかし診療放射線技師の年収としては、大学病院と比較した場合に低めになってきます。
これは公務員ということで、勤務時間がしっかり管理されているため。
なので残業が少なく、残業手当などは付かない場合が多いです。
それでも公務員ということで教育体制も充実しているので、給料の安定性としては高くなってきます。
大学病院
大学病院の年収としては、400〜600万円くらいが平均になってきます。
大学病院の特徴は、担当する検査が細かく分けられていること。
新人時代は一通りのモダリティを経験して覚えていきますが、その後はある程度決まった検査に配置される場合が多いです。
なので年収の面では、大学病院は比較的高くなってきます。
これは大学病院なので、検査機器や検査件数も多くなるため。
これによって、他の職場と比べても残業が多くなってしまうのが大学病院勤務の特徴。

さらに大学病院ならではの特徴としては、学会発表が行われる際に研究や準備に時間が割かれる部分もあります。
一般病院
一般病院の年収としては、職場によっても異なりますが370〜450万円程度が多くなってきます。
一般病院といっても、病院規模はさまざま。
大学病院のように病床数の多い病院もあれば、そこまでの病床数ではない個人病院もあります。
なので一般病院の診療放射線技師の年収は、就職した病院によって変わります。
比較的、病床数の多い大きな病院の方が給料は高めにはなってきます。
これは病院の規模に応じて複数科の診療を行なっているため、診療放射線技師の仕事量としても多くなるため。

しかし病床数が少なくても、脳外科などのように専門的な分野の病院などでは診療放射線技師の役割も大きいので給料にも反映されてきます。
クリニック・検診センター
病院ではなく小さな医療機関であるクリニックや健診センターの年収は、350〜450万円くらいになっています。
基本的にクリニックや健診センターでは、一般撮影が主な業務になってきます。
病院規模のような複数の検査機器を扱うことも少ないので、診療放射線技師としての業務量も少なくなるのが特徴。
ただし診療放射線技師が1人しかいないような職場の場合は、職務や責任が高い分給与が高い場合もあります。
クリニックなどによっては、1人で複数の機器で検査を行う場合もあるのでその場合は仕事量としてもアップ。
なので年収としても、450万円以上のケースもあります。
それでも一般的に病院と比べて、賞与が低めなのも年収の違いの要因にはなってきます。
地域別での比較
北海道・東北地方
北海道 | 540万円 |
青森県 | 600万円 |
岩手県 | 455万円 |
宮城県 | 655万円 |
秋田県 | 514万円 |
山形県 | 513万円 |
福島県 | 437万円 |
関東地方
茨城県 | 501万円 |
栃木県 | 544万円 |
群馬県 | 503万円 |
埼玉県 | 598万円 |
千葉県 | 592万円 |
東京都 | 590万円 |
神奈川県 | 562万円 |
信越・北陸地方
新潟県 | 542万円 |
富山県 | 471万円 |
石川県 | 515万円 |
福井県 | 593万円 |
山梨県 | 525万円 |
長野県 | 482万円 |
東海地方
岐阜県 | 494万円 |
静岡県 | 449万円 |
愛知県 | 606万円 |
三重県 | 492万円 |
関西地方
滋賀県 | 588万円 |
京都府 | 527万円 |
大阪府 | 563万円 |
兵庫県 | 531万円 |
奈良県 | 547万円 |
和歌山県 | 578万円 |
中国・四国地方
鳥取県 | 419万円 |
島根県 | 521万円 |
岡山県 | 449万円 |
広島県 | 536万円 |
山口県 | 596万円 |
徳島県 | 473万円 |
香川県 | 665万円 |
愛媛県 | 503万円 |
高知県 | 585万円 |
九州・沖縄地方
福岡県 | 541万円 |
佐賀県 | 509万円 |
長崎県 | 493万円 |
熊本県 | 533万円 |
大分県 | 458万円 |
宮崎県 | 438万円 |
鹿児島県 | 460万円 |
沖縄県 | 470万円 |
同じ診療放射線技師でも、働く地域によっても年収には違いが出てきます。
関東や関西地方では、診療放射線技師の年収は平均的高くなってきます。
これは都市部ということで、病院やクリニックの数も多いため。
ただしあくまでも平均の年収なので、病院規模などによっても年収は変わります。
逆に地方都市などでも、平均年収の高い地域はあります。
ただし地方都市の場合は、同じ病院で経験年数を積む場合もあるので年収として高くなってくる傾向も。

実際に地方都市ほど、診療放射線技師が飽和状態で就職や転職先が見つけづらいという話もよく聞きます。
年収を上げる方法

経験年数を重ねて管理職を目指す
診療放射線技師も働く年数を重ねることによって給料は上がり、会社員と同じく役職が付くことで給料が上がってきます。
メリット
- 経験年数に応じて昇給
- 役職が付けば手当も増える
- 勤め続けることで年収が上がる
デメリット
- 昇給の度合いは病院次第
- 時間がかかる
- 職場環境に左右される部分がある
たとえば、新入職とベテランで給料に違いが出るのは基本給が違うからになります。
一般的に1年に1回昇給があることによって、基本給が上がっていきます。
なので経験年数が長いほど基本給も上がっていて、収入としても差が出てきます。
さらに診療放射線技師にも役職があり、役職がつくことによって役職手当も付くことに。
診療放射線技師の場合、もっとも高い役職としては放射線科の技師長になります。
他にも主任や係長など、職場によっても役職は変わってくる部分。
しかし昇給などによる収入アップは、時間がかかるのがデメリット。

基本給の上がり方は職場によっても変わりますが、1年に1回の昇給では年収があがるのに時間はかかってしまいます。
専門的な資格を取得する
診療放射線技師としての年収を上げる方法としては、資格による手当を増やすという方法もあります。
メリット
- 資格手当によって年収が上がる
- 専門的な知識が身に付く
- 転職の際も有利になる
デメリット
- それぞれの機器の経験年数が必要
- 資格試験は難易度が高い
- 資格手当の有無は病院次第
病院などで働く診療放射線技師の場合、基本給に合わせてさまざまな手当が付きます。
中でもCTやMRI検査に関する認定技師は、専門的な知識や経験によって手当が付く場合があります。
認定技師の資格を取得することで手当として給料に反映され、手当が増えることによって年収も上がることになります。
ただし認定技師の手当については、職場によって認められる場合と認められない場合があります。
手当として認められない職場もあるため、給料に反映されるかどうかは職場次第。
もし認定技師の資格を取得したい場合、給料に反映される職場を選ぶ方が良いのは当然。

ただし認定技師の資格試験は、合格の難易度が高くなっている点にも注意が必要です。
当直やオンコールを増やす
年収に関係する手当を増やす方法としては、当直やオンコールによって勤務時間を長くする方法もあります。
メリット
- 当直やオンコールで手当が付く
- 手当によって年収が上がる
- 残業よりも正攻法
デメリット
- 勤務時間が長くなる
- 当直・オンコールの有無は病院次第
- 経験年数やスキルが必要
年収を上げるために勤務時間を長くするといっても、無意味な残業を増やすという意味ではありません。
診療放射線技師の場合は、当直やオンコールなどをやることで勤務時間を増やすことができます。
特に救急対応や24時間体制の病院では、放射線技師の当直などは必要になってきます。
なので当直やオンコール対応の病院に務めることで勤務時間が増え、手当も付いてくることに。
さらに病院によっては当直手当やオンコール待機手当が高めな職場もあるので、残業するよりも効率的な部分もあります。
ただし前述の通り、当直やオンコールを実施している職場は限られてきます。

なので年収を増やすために、別の病院で当直のアルバイトをするケースも多いです。
副業やダブルワークをする
年収を増やす方法としては、本業以外の勤務時間を増やす方法もあります。
メリット
- 本業以外で収入を得れる
- 本業の昇給に依存されない
- スキルや経験も上がる
デメリット
- 時間的な拘束時間が増える
- 技師としてのスキルや経験が必要
- 税金面も上がってくる
本業での年収アップが望めない場合、副業やアルバイトで収入を増やすのもひとつの手段になります。
特に診療放射線技師の場合は、別の病院やクリニックでアルバイトする場合も多いです。
診療放射線技師としてのアルバイトも、日勤や当直などいろいろ。
中でも多いのは、公休や有給を使って別の病院で日勤や当直のアルバイトをすること。
他にも、週末に検診センターや検診車での勤務をする場合もあります。
ぼく自身、これまでクリニックでの日勤や当直のアルバイトを経験してきています。
クリニックであればむずかしい機器もなく、一般撮影などがほとんど。
当直のアルバイトの場合も、夜勤帯にそこまでむずかしい検査は出ないのでそれなりに経験を積んでいれば対応可能です。
やり方によっては、本業+副業で年収を50〜100万円増やすケースも。

診療放射線技師として働く時間は長くなりますが、年収アップのためには副業やアルバイトもひとつの選択肢になってきます。
年収の高い職場へ転職する
もっとも早く年収を上げる方法が、基本給の高い職場への転職になります。
メリット
- 早く年収を上げることが可能
- これまでのスキルや経験を活かせる
- 転職活動はいつでも可能
デメリット
- 適正な職場が見つかるかどうか
- 転職活動による忙しさ
- スキルや経験は必要
診療放射線技師の給料は、基本的に基本給+各種手当になっています。
そんな手当の中に診療放射線技師手当が含まれていることも多いので、収入を上げるためには基本給を上げる必要があります。
基本給は職場によって決められている部分なので、基本給の高い職場に勤めることで年収を早く上げることができます。
病院によっては診療科が多く、当直やオンコール手当が充実している施設も。
さらに経験年数によっては、管理職ポストや昇進のチャンスも大きくなります。
そんな年収アップを目指すためには、転職活動が必要になってきます。

実際に転職を急ぐ必要はなく、転職サイトに登録しておくことで好条件の転職先を見逃す確率を減らすことができます。
診療放射線技師の年収 まとめ

この記事の中では、診療放射線技師の年収について紹介してきました。
診療放射線技師として働く上では、年収アップも重要な要素になってきます。
診療放射線技師の年収をアップする方法
- 経験年数を重ねて管理職を目指す
- 専門的な資格を取得する
- 当直・オンコールを増やす
- 副業・ダブルワークをする
- 転職する
中でも、早く年収を上げることができるのが「転職」です。
転職はハードルが高いように感じますが、転職活動自体はむずかしくありません。
転職サイトに登録しておくだけで、理想的な転職先を見逃す可能性も減らすことが可能。
年収アップが見込める職場が見つかった時に、実際に転職活動を始めれば良いだけ。

実際にぼく自身、転職したことによって年収を上げることができています。
コメント